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社内承認フローを電子化する第一歩|稟議書・回覧への電子印鑑活用

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「稟議書のためだけに出社した」「回覧がどこで止まっているのかわからない」——紙とハンコを前提にした社内承認フローは、テレワークの普及とともに多くの職場で見直しの対象になっています。とはいえ、いきなり高機能なワークフローシステムを導入するのはハードルが高いのも事実です。この記事では、共有ファイルと電子印鑑を使って今ある書式のまま小さく始める電子化の方法と、その先のステップアップまでを実務目線で解説します。

紙の承認フローの課題

紙の稟議書や回覧板による承認フローには、次のような課題があります。

  • 押印のための出社・待ち時間 — 承認者が不在だと書類が机の上で止まり、決裁までの日数が読めない
  • 進捗が見えない — 今誰の手元にあるのか、催促してよいのかがわからない
  • 保管・検索の負担 — 過去の稟議書を探すのにキャビネットをめくる必要があり、保管スペースも取られる
  • 差し戻しのコスト — 修正のたびに印刷・押印・回覧をやり直すことになる

ここで押さえておきたいのは、稟議書や回覧といった社内書類への押印は、法律で義務付けられたものではなく社内ルールにすぎないという点です。つまり自社の運用を変えるだけで電子化でき、取引先との調整も不要です。社内文書は、電子化の効果が最も出やすく、かつ最も着手しやすい領域といえます。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。承認手続きの要件が法令や定款・社内規程で定められている場合もあるため、重要な決裁フローを変更する際は自社の規程をご確認ください。

小さく始める電子化(共有ファイル+電子印鑑)

最小構成の電子化は、特別なシステムなしで実現できます。手順は次のとおりです。

  1. 書式をそのままExcel・Wordにする — 使い慣れた稟議書・回覧の書式を電子ファイルにします。すでにExcelで作って印刷しているなら、そのファイルをそのまま使えます
  2. 共有フォルダやクラウドストレージに置く — 「起案中」「承認待ち」「決裁済み」などのフォルダを分けておくと、進捗がフォルダの場所でわかります
  3. 承認者は電子印鑑を押して保存する — 承認欄に自分の印影画像を貼り付ければ、見た目は紙の稟議書とほぼ同じままです
  4. 完了したらPDFにして保管する — 決裁済みの書類はPDF化しておくと、改変されにくくファイル名で検索もできます

承認欄に押す電子印鑑は、電子印鑑ジェネレーターで無料で作成できます。名前を入力するだけで認印・丸印・角印・データ印の印影画像がその場で作れて、登録も不要です。入力した名前はブラウザ内だけで処理され、サーバーに送信されないため、社内で各自に作ってもらう運用でも安心です。背景が透明な透過PNGでダウンロードすれば、Excelのセルの罫線や「承認」の文字に重ねてもきれいに表示されます。貼り付けの具体的な手順はExcelやWordに電子印鑑を貼り付ける方法で解説しています。

この方式のポイントは、フローも書式も変えず「紙とハンコ」だけを置き換えることです。承認する側の操作は「画像を貼って上書き保存」だけなので、システム導入のような教育コストがかからず、反対も起きにくくなります。

データ印で「いつ誰が確認したか」を残す

社内承認で本当に残したい情報は、印影そのものよりも「いつ・誰が確認したか」という記録です。ここで役立つのが、シャチハタの「データーネーム」のような日付入りのハンコ、いわゆるデータ印(日付印)です。

データ印は丸型の枠が三段に分かれていて、上段に姓、中央に日付、下段に名(または部署名など)が入ります。承認欄にデータ印を押しておけば、後から書類を見返したときに「8月21日に佐藤さんが確認した」ことが一目でわかり、監査や引き継ぎの際の説明も簡単になります。

電子印鑑ジェネレーターでは、日付を自由に設定できるデータ印も無料で作成できます。書体はおまかせ・明朝・ゴシック・筆文字・オールド明朝の5種類、色も定番の朱のほか赤・藍・黒から選べるので、「確認印は藍色」「経理チェックは黒」のように役割ごとに色を分ける運用も可能です。データ印の作り方と活用例は日付印(データー印)を無料で作る方法で詳しく紹介しています。

なお、印影画像はあくまで「確認の目印」であり、本人が押したことを技術的に証明するものではありません。無断利用を防ぐため、印影ファイルの保管場所とアクセス権は管理しておきましょう。リスクと対策は電子印鑑のセキュリティリスクと対策にまとめています。

本格的なワークフローシステムとの使い分け

共有ファイル+電子印鑑の方式は手軽な一方で、承認ルートの自動振り分け・催促通知・承認履歴の改ざん防止といった機能はありません。組織の規模や決裁の重要度が増してきたら、専用のワークフローシステムや電子契約サービスへのステップアップを検討します。目安は次のとおりです。

  • 共有ファイル+電子印鑑で十分 — 従業員数十人までの社内決裁、定型的な回覧・チェック、承認段数が1〜2段の書類
  • ワークフローシステムを検討 — 承認ルートが複雑で差し戻しが多い、月の稟議件数が多く進捗管理が追いつかない、内部統制上の証跡が求められる
  • 電子署名サービスを検討 — 取引先との契約書など、本人性・非改ざん性の証明が必要な社外文書(電子印鑑と電子署名の違い参照)

大切なのは、最初からすべてをシステム化しようとしないことです。まず電子印鑑で「紙をなくす」体験を組織に浸透させておくと、その後のシステム導入もスムーズに進みます。

また、承認フローの電子化は経理業務の効率化と地続きです。稟議・承認をデータで回せるようになると、その先の会計処理までクラウドでつなげる効果が大きくなります。

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承認フローの電子化とあわせてバックオフィス全体を効率化するなら、クラウド会計ソフトの導入が有効です。証憑や取引データを自動で取り込み、承認後の経理処理までデータのままつなげられます。

まとめ

社内承認フローの電子化は、共有ファイルと電子印鑑の組み合わせなら今日からでも始められます。稟議書や回覧への押印は社内ルールにすぎないため、取引先との調整なしに自社の判断だけで進められるのが大きな利点です。まずは電子印鑑とデータ印で「いつ誰が確認したか」を残す運用を定着させ、組織の成長に応じてワークフローシステムや電子署名サービスへステップアップしていきましょう。

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